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【特集】バレーボール指導論⑥:スポーツ心理学Ⅱ

(2015年3月29日更新)

1.  心を見つめる
1.1  心と体の対話
・メンタルとフィジカル。相反するものとして語られる事が多いこの二つだが、
今よりワンランク上のプレーを目指すなら、両面からのアプローチが不可欠。


(1)フィジカルトレーナーに聞くメンタル
1)一流になれるか、二流で終わるかの最後の決め手はメンタルの部分に
かかっている。
2)メンタルトレーニングも、心の分野のみならず、体からのアプローチも必要。
3)心と体は一体。心でミスのことを考えればミスしてしまい、負けを意識する
と負けてしまう。常にプラスのメンタリティーをもつ必要あり。


(2)メンタルトレーニングの必要性
1)心と体の調和を正しく保つことが、スポーツで勝つための秘訣。
2)ウエイトトレーニングで立派な体を手に入れたとしても、心の領域が未熟
だと、能力を十分に発揮することが出来ない。
3)同じトレーニングをするにしても、何も考えずに行うのと、「ここをこういった
理論の下、このように鍛えるんだ」という意識で行うのとでは、その成果には
歴然とした差が出る。

1.2  心と体の関係
・メンタルトレーニングといっても、決して難しく考える必要はない。
日常のなかにもメンタルトレーニングに通じる場面がたくさん存在する。
それをちょっと意識するだけで、心の領域はグッと近づく。
(1)スポーツで見るメンタルの場面
1)昨年の優勝チームと対戦する際に「昨年優勝しているから強いはずだ。
負けるだろう」と先入観をもってしまうと、それが体に反映される。
2)「もしもここで勝たなかったら自分は終わりだ」と心の中に雑念が浮
かび、強い緊張感をじると、体が思うように反応してくれません。この
雑念は、その試合が自分にとって重要になればなるほど、大きくなる。
3)「自分はダメな選手だ」というマイナスの暗示をかけ続けると、体も
動きもダメな選手にります。逆に今現在では一流選手でなくても、
「自分は一流選手だ」とプラスの暗示をかけると、プラスの方向に働く。
4)もし自分が試合途中でリードしていれば、「逃げ切りたい」という心理が
残り時間を長く感じさせます。逆に負けていれば「追いつきたい」という
心理が焦りを生み、短く感じさせる。
5)体を動かさなくても、ある動作技術をイメージすれば、皮膚温のように、
その動作をするための筋肉が微量ではあるが反応を示す。このイメージ
を繰り返すことで、本番前の予行演習や、正しい動作技術を行うための
筋肉が学習強化される利点がある。
6)プレーに必要な体の部位や脳の力は、集中する事で、通常以上に活性化
される。一方、集中は、不要な体の部位や雑念を生みだす脳の力を弱少化
される働きももつ。


(2)心技体という考え方
1)人間の心理は、自分が持っている全ての力の70%くらいのところで勝手に
限界を作ってしまう。その為、通常30%くらいは、発揮されずに眠ったま
まになっている潜在能力が残されている。この潜在能力を発揮させる原動
力もまた心のもち方一つ。


(3)個々に適したメンタルトレーニング
1)自分の心理面を、プラス方向にもって行きたいと考えている時、日頃から
何もせず試合本番」の時だけやってみるというのはダメ。
スポーツ心理学は、一般心理学が基礎になっている。
2)競技中の心理と、競技以外の時間の心理は、切っても切り離せない相関
関係にある。試合中に「プラス思考でいこう」というのをよく耳にする。
しかし、その競技以外の時間でいつもマイナス思考をしていたのでは、
いざ試合の時だけプラス思考をしようと意気込んでも無理な話である。
3)メンタルトレーニングというのは、日頃からの繰り返しの習慣づけが
必要。そうでなければ、日常の特別の場である試合に、最高の心理状態で
臨むことなど、到底不可能。

競技部

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