【特集】バレーボール指導論⑦：スポーツ心理学Ⅲ
（２０１５／４／４更新）
2.理論編1：イメージトレーニング
・イメージ映像をトレーニングに生かす
イメージは生体反応、感情、様々なケースをいつでもどこでも自由自在
に引き出したり、体験したりすることを可能にします。イメージトレー
ニングに不可欠な要素は、どれだけそのイメージにリアリティーをもたせ、鮮明度を高められるかというところ。
3.実践編1：イメージトレーニング
・勝利への近道は、まず、正確な動きをマスターすることから始まる。
外的イメージやVTRを使って、日々の練習フォームのチェックを心掛ける。
又、実際に体を動かしながらのイメージトレーニングは、イメージだけでは
補えないリズム感覚を養うのに効果的である。
（1）イメージの鮮明度とリアリティーを高める
1）イメージトレーニングの効果を高めるには、イメージの鮮明度と
リアリティーを高めることが必須。
2）方法は椅子に座ってリラックスした状態で、静かに目を閉じて両手を
前に出す。そして両手で重量のある物を持っているイメージをする。
手に暖かい物や冷たい物を持っているところを思い浮かべる。手の
ひらに何んとなく温度差が感じられるようになると良い。
3）日常の訓練を通して、自分の思い描いているイメージが、どこまで
生体反応を引き出すことが出来るようになるかをチェックしていく。
（2）内的イメージと外的イメージを理解する
1）内的イメージとは、自分が主観的にその動作を行っているところを
イメージしたもの。（タイミング学習に最適）
外的イメージとは、自分の動作を自分が客観的に見ているイメージ。
（フォームの学習に最適）
2）イメージトレーニングがうまくいくかどうかは、この二つのイメージ
をどう組み合わせ、どのように使い分けていくかによって決まる。
（3）イメージのための補助材料トレーニング
・効果的なイメージトレーニングを行うためには、VTRや連続写真などが有効。
（4）体の内部動きもイメージしてみる
・筋力トレーニングでも、ただ行うのではなく、鍛えたい筋肉が最大限に鍛え
られているイメージをもちながら行うと効果的。
（5）今の自分に必要な感情を喚起するイメージ
・必要となる感情をいつでも喚起させることが出来るように、印象に残った
試合のVTRや写真を残して置くように心掛ける。試合後の感情を日誌風に
記述しておくのも有効である。
（6）試合に備えてメンタルリハーサルを実践する
1）VTRなどの情報を入手して、相手の試合運びを研究する。相手の得意
パターンと苦手なパターンを自分の頭の中にイメージとして刻みこむ。
それをもとにして、自分の得意なパターンと苦手なパターンを細かく
組み合わせて、実際にイメージのなかで体験させておく。
2）対戦相手が分らない場合でも、架空の選手を想定し、様々なパターン
をイメージする。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
トレーニング参考サンプル
・シーンの場面状況：（ ） 大会決勝戦、相手は（ ）チームです。
（ ）年（ ）月（ ）日、於：松戸体育館、天気晴れ、２０度、時間は１６：００です…。
１．セットカウント１対１、現在３セット目で、１８対２０で負けています。
あなたにサーブの打順がまわってきました。ファーストサーブをミス
しています。セカンドサーブを打ちますが、力みも無く自然体で打つ
ことが出来て、監督の指示通り、バックライトを狙い、相手はオーバー
レシーブをしますが、後ろにそらすサービスエースです。
（１）内的イメージでトレーニングして下さい。
２.１９対２０で負けています。あなたのファーストサーブです。監督の
指示通り、バックライトを狙いました。今度はノータッチのサービス
エースです。
（２）外的イメージでトレーニングして下さい。
３．２１対２２で負けています。サーブ権は相手（ ）チームです。サーブは
エースの（＊１）さんです。自分のところにファーストサーブが来ました。
オーバーレシーブで自分としても理想的な完璧なＡカットです。セッター
（ ）から自分にトスがあがり、相手ブロックを大きくはじきポイント。
＊１：サイドスローで、速くて伸びるサーブが特徴です！
４．２４対２４で同点です。サーブ権は相手（ ）チームです。
サーブは（＊２）です。サーブはバックライトとバックセンタの間の
コースで、バックライトがかろうじて上にあげた状態です。
（コートのど真ん中）二段トスが自分にあがり、確り相手のコートをみて
バックレフトの深い所に７割程度のパワーで打ち、エンドラインギリギリに
落ちてポイント。
＊２：ジャンプサーブです。安定性に欠けるが威力あり。
５．２５対２４でリードしています。サーブ権は（自チーム）です。相手サーブ
カットがセッターに入りました。自分の読み通り、自分がブロックに
参加し、シャットアウトのポイントです。
２６対２４で勝利です！
競技部